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IAR Embedded Workbench for Arm 9.70.x

Powerデバッグの概要

このセクションの内容:

Power デバッグを使用する理由

バッテリー寿命の長さは —医療や家電、ホームオートメーションなど、ほとんどすべての市場区分において、多くの組込みシステムで非常に重要な要素です。これらのシステムの消費電力は、ハードウェアの設計だけでなく、ハードウェアの使用方法によっても異なります。システムソフトウェアは、使用方法を制御します。

Power デバッグが役に立つ例については、電力消費のソースコードの最適化を参照してください。

Power デバッグの概要

Power デバッグは、消費電力(より正確に言うと、CPU とペリフェラルによって消費される電力)をサンプリングし、それぞれのサンプルをアプリケーションの命令シーケンスと関連付けて、それからプログラム実行におけるソースコードやさまざまなイベントと関連付けます。

従来からソフトウェア設計の主なゴールは、使用するメモリをなるべく少なくすることです。しかし、アプリケーションの消費電力をソースコードに関連付けることで、ソフトウェアが消費電力にどのように影響するのか理解して、電力の消費を最小限にする方法を考えることができます。

消費電力の測定

デバッグプローブは、デバイスへの供給電力に直列の小さい抵抗(シャント抵抗)に対する電圧の低下を測定します。電圧の低下は差動増幅器で測定され、続いて AD コンバータによってサンプリングされます。

TI MSP-FET と TI XDS 110デバッグプローブは EnergyTrace(TM)テクノロジーを使用します。これはターゲットマイクロコントローラに提供する電力を測定します。DC–DC コンバータをソフトウェアで制御することでターゲットの電力供給を生成します。DC–DC コンバータのチャージパルスの時間密度が、ターゲットマイクロコントローラの電力消費に対応します。ビルトインの校正回路により、シングル DC–DC チャージパルスのエネルギーを定義します。

C-SPYを使用したPowerデバッグ

C-SPY は Power デバッグを設定するインターフェースとなるほか、電力の値を参照するウィンドウのセットを提供します。

  • [Powerログ設定]ウィンドウでは、しきい値やしきい値に到達したときに実行するアクションを指定できます。つまり、電力測定を有効または無効にしたり、アプリケーションの実行を停止して、予期しない電力値の原因を特定できます。

  • [Powerログ]ウィンドウには、記録された電力の値がすべて表示されます。このウィンドウはPower ログのピークを探すときに使用できます。値は実行されたコードに関連付けられているため、[Powerログ]ウィンドウの値をダブルクリックすれば、対応するコードを取得できます。精度はサンプリング周波数によって異なりますが、かなりの確率でピークの原因となったソースコードのシーケンスを見つけられます。

  • [タイムライン]ウィンドウのPowerグラフには、時系列で電力の値が表示されます。これは、ウィンドウに表示される他の情報と比較しながら消費電力を参照する便利な方法です。[タイムライン]ウィンドウは[Powerログ]ウィンドウ、ソースウィンドウ、および[逆アセンブリ]ウィンドウに関連付けられており、タイムライン上の値に対応するソースコードがダブルクリックするだけで見つかります。

  • [関数プロファイラ]ウィンドウは、関数プロファイリングとPowerログを組み合わせて、関数ごとの電力消費、つまり電力プロファイリングを表示します。関数別の値のリストのほか、最大値と最小値とともに平均値も得られます。こうすることで、電力消費を最適化する際に集中すべきアプリケーションの領域を発見します。

Power デバッグの要件および制限

C-SPY でこの機能を使用して Power デバッグを実行するには、以下のいずれかが必要です。

  • I-jetまたはI-jet Traceインサーキットデバッグプローブ。I-jet TraceでETMトレースを取得時はPowerデバッグを実行できない点に注意してください。

    より正確なPowerデバッグには、I-scopeプローブをI-jet/I-jet Traceプローブとターゲットボード間に接続できます。I-scopeによって、詳細な電流と電圧の測定機能が加わります。

  • J-Link UltraデバッグプローブおよびSWOを持つCortex-Mデバイス。

  • A TI MSP-FETデバッグプローブは、Texas Instrumentsが提供するEnergyTrace(TM)テクノロジーおよびTI MSP-FETデバイスを使用しています。プローブは電力、電流、およびエネルギー情報を出力します。

  • ST STLINK-V3PWRデバッグプローブおよびSWOを持つCortex-Mデバイス。ターゲットのボードはプローブを介して電源が供給されます。

  • A TI XDS110デバッグプローブは、Texas Instrumentsが提供するEnergyTrace(TM)テクノロジーおよびTexas Instrumentsデバイスを使用しています。プローブは電力、電流、およびエネルギー情報を出力します。